「喜びの詩」 第5号 2008年4月21日
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目次
■ 世界の成り立ちについて
○ 完全な状態
○ 表現し、味わう
○ 設計し、演じる
○ 体験し、補佐する
○ 展開のかたち
● 因果作用 (●前半/○後半)
○ 生の歴史
□ 人のありようについて
□ 生きることについて
□ 自分の生を、より大きな喜びにすることについて
□ 他者との関わりを、より大きな喜びにすることについて
□ 社会との関わりを、より大きな喜びにすることについて
□ いくつかのものごとについて
(本号に掲載するもの:■●)
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─────── 因果作用
意識が「表現し、味わう」のは、喜びのため。とすれば、
生命体として「表現し、味わう」のも、やはり喜びのため。
つまり、生という体験の目的は喜び。
ここで「喜び」は、質と量を伴った感情の一つになり、
生命体は、質の高い喜びや、量の豊かな喜び、つまり大きな喜びを目指すことになる。
こうした生の体験を、具体的に展開させるには、ある仕組みを導入することが必要になる。
それは「因果作用」。これは、原因に応じた結果をもたらすもの。
つまるところ、生命体の「意」を原因とし、それに応じた「識」を結果としてもたらすもの。
これを全体として見れば、やはり生命体と「自動の働き」との、情報のやりとりにあたる。
生命体から出力された情報は、「自動の働き」に入力され、
そこで「因果作用」に沿ったかたちで出力されて、生命体に入力される。
生という体験は、「意、識」のどちらか一方だけでなく、常に両方をいくらか伴うもの。
その「意」と「識」の配合によって、体験はいくつかに分けられる。たとえば、
「意」が主になっているのは「思う」こと、
「識」が主になっているのは「感じる」こと、
「意」の方が勝っているのは「考える」こと、
「識」の方が勝っているのは「解する」こと。
「思う」ことの内、思いによって、連動する体を動かすのが「行い」、
「感じる」ことの内、ある時ある場所で、体で感じるのが「現象との出会い」にあたる。
現象と出会い、感じ、解し、考え、思い、行う、
これが、「識」から「意」へ向かう、体験の流れになる。
「因果作用」とは、この流れを、再び「識」へとつなぎ、循環させるものにあたる。
つまり、生命体の「思いや行い」を原因とし、
それに応じた「現象との出会い」を結果としてもたらすもの。
つまるところ、思いや行いに応じて、出来事をもたらすもの。
こうした「因果作用」は、大きく分けて二通りのかたちで働く。
それは、「具現化作用」と「収支平衡作用」。
「具現化作用」とは、生命体にとって、
何かを目指す思いや行いが、出来事として実現すること。
いわば、思いがそのままかたちになること。
これは、意識のもともとの表現のあり方に、相似するもの。
「収支平衡作用」とは、生命体にとって、
他者に対する思いや行いの影響が、出来事として返ってくること。
いわば、与えた行いが、かたちを変えながらも、そのまま返されること。
これは、複数の生命体の間のやりとりの関係を、合理的に定めるもの。
「具現化作用」とはつまり、思いを具現化させる作用。
思いが具体的な現象に変換されうるのは、思いと現象のいずれもが、情報であってこそ。
情報をありありとした方向へ変換するもの、それがこの作用。
一旦思いを発すれば、それはひとりでに変換されていく。
思いが強ければ、その変換はより早くなる。
「収支平衡作用」とはつまり、他者との間で、影響の収支を平衡させる作用。
この影響を測るものは、つまるところ、生というものの目的である「喜び」。
他者に与えた喜びの大きさに応じて、同等の喜びが返される。
喜びの収支を平衡させるもの、それがこの作用。
こうした「因果作用」は、物理的な運動の法則に相似する。
運動の法則は、
一旦与えられた運動が、ひとりでに保持されるという法則と、
力の向きと大きさに応じて、運動の加速度が生じるという法則、
そして、運動が他に作用すれば、同じ作用が返されるという法則からなる。
「具現化作用」は前の二つに相似し、
「収支平衡作用」は最後のものに相似する。
運動の法則が、互いに連携し、物質の運動を豊かに展開させるように、
「因果作用」も、互いに連携し、生という体験を豊かに展開させることになる。
また、この作用は、物質の世界に限らず、あらゆる体験世界を横断して働くことになる。
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たとえば、人が何かを願ったり、
サイコロを振るときに念を込めたり、
競技する他者を遠くから応援したりするのは、
直感的に、「具現化作用」の存在を認めているゆえ。
また、習慣的な思いが「類は友を呼ぶ」という現象を起こすのも、この作用によるもの。
「具現化作用」とはいわば、「喜びを思えば、喜びが実現する」こと。
この作用のもとでは、基本的に、希望するものごとの最終的なかたちを思い浮かべれば、
それを実現するための現象上のなりゆきが、「自動的に」整えられていく。
思いが実現するには、関係する全てのものごとが、それに向かって動いていく必要がある。
たとえば物質の世界では、全てのものごとは互いにつじつまの合った状態にあるゆえ、
それらを動かすには、一つ一つ手順を踏んだ、様々な調整作業が必要になる。
他者が関係するなら、それぞれの体験が、整合的に動かされる必要があり、
何か新しいものごとが必要なら、それに見合う「設計」が、参照される必要がある。
こうした調整作業も、「自動の働き」の処理能力が無限であることで、成り立つことになる。
思いを実現させることは、ドミノ倒しにたとえられる。
思いをもつことは、ドミノの行き着く先を決め、最初のドミノを倒すこと。
すると「具現化作用」によって、ドミノの経路が自ずと設定され、
そこに一つ一つのドミノが集められ、次々に倒れていき、終着点に達する。
思いという最初の原因から、小さな「原因と結果」が次々に連鎖し、最終の結果へと至る。
「自動の働き」は全て、互いに矛盾なく連携する。ゆえに、
「具現化作用」は、物質の世界に出来事をもたらす際、
物理法則に反したり、生における自由の感覚を損なったりはしない。
物理法則は、この世界を具体的なものとして成り立たせる、尊重すべきもの。
自由の感覚は、それぞれの生命体にとってかけがえのない、尊重すべきもの。
あくまで物理法則に沿い、自由の感覚を成り立たせながら、
ある時、ある場所に、ある出来事を起こすように仕向ける。
このように、「具現化作用」は、あくまで時間と空間の枠組みに沿って、ものごとを進める。
それゆえ、空間上にものごとを実現するまでに、それなりの時間を要することになる。
思いを早く実現するには、思いが強いことと、調整作業が少ないことが、その要件になる。
これは、力が強いほど、また質量が少ないほど、物体の運動が加速されることに相似する。
ここで、「思いが強い」とは、
思いが具体的であること、繰り返されること、長く保たれること、
反対の思いがないこと、つまり信じる思いがあること、
同じ思いをもつ他者が多くいること、などを含む。
ここで、「調整作業が少ない」とは、
必要な「設計」が少ないこと、その内容が高度でないこと、
関係する他者が少ないこと、その関係する度合いが小さいこと、
過去に自分から他者に与えた負の影響が少ないこと、などを含む。
調整作業が多ければ、その分強い思いをもつことが、実現を早める要件になる。
さらに、思いだけでなく、行いを加えることで、実現は大きく加速される。
体を用いた行いは、思いの一つとして「具現化作用」に働きかける一方、
物理法則に沿いながら、直接に出来事を実現しうる。
単に思うだけでは時間がかかることを、大幅に短縮して実現する手段が、行いというもの。
たとえば、人の活動においては、
簡単な用事であれば、思うとともに、
自分の体を動かす行いによって、すぐにそれを実現しうる。
大きな事業であれば、思うとともに、
希望する状態を具体的に設計し、その実現までの手続きを調べ、それを実行に移し、
他者にも協力を呼びかけるなど、様々な行いによって、より早くそれを実現しうる。
また、文明という手段を用いれば、思ったことを、より少ない行いによって実現しうる。
これらは、人が自ら、ドミノ倒しの経路を描き、ドミノを調達することにあたる。
全ての生命体は、思いをもつ。
その思いの一つ一つに「具現化作用」が働く。
弱い思いには弱い作用が、強い思いには強い作用が働く。
異なる思いは作用を打ち消し合い、同じ思いは束になって作用を高める。
その状況次第で、思いが実現したり、しなかったり、実現の時期が変わったりする。
生命体は、そうした無数の「具現化作用」の影響を、互いに受けて生きることになる。
このことは、ある面で見れば、生を縛るようでも、広く見れば、生を豊かに彩ることになる。
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あとがき
ここでは、「思いが実現する」ということと、「因果応報」ということが成り立つための
仕組みについて考察しました。
ちなみに、生という体験の目的が「喜び」だと、さりげなく規定していますが、
これについては後で詳しく考察します(単なる享楽主義を指すことにはなりません)。
次号では、「収支平衡作用」について考えます。
それではまた。
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発行者 哲楽人 週2回発行(月曜・金曜)
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