「喜びの詩」   第3号 2008年4月14日

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目次

■ 世界の成り立ちについて
   ○ 完全な状態
   ○ 表現し、味わう
   ○ 設計し、演じる
   ● 体験し、補佐する
   ○ 展開のかたち
   ○ 因果作用
   ○ 生の歴史
□ 人のありようについて
□ 生きることについて
□ 自分の生を、より大きな喜びにすることについて
□ 他者との関わりを、より大きな喜びにすることについて
□ 社会との関わりを、より大きな喜びにすることについて
□ いくつかのものごとについて

(本号に掲載するもの:■●)
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─────── 体験し、補佐する


意識は、「設計」した「舞台での舞」という筋書きを、実際に生きたものにするため、
「体験」と「補佐」という二つの役を、「演じ分け」ることにした。
体験の役とは、
「舞手」として、「舞台」を現実として捉え、そこで「舞」を表現し、味わうもの。
つまり生命体として、体験世界を現実として捉え、そこで生を体験するもの。
補佐の役とは、
「舞手」を陰で支え、「舞台」をしつらえ、「舞」をお膳立てするもの。
つまり生命体を陰で支え、体験世界をしつらえ、生の体験を補佐するもの。

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「体験」するというのは、
意識が、ある「個体の個性」に沿って「演じ」ることで、可能になるもの。

「個体の個性」とは、生命体の個体を描き出すのに要する、全ての情報のまとまり。
意識が、この情報の「鋳型」に一旦沿うことにすると、
そこで定められた自由度を超える働きは、基本的にできなくなり、
「鋳型」の中の自由を、自由の全てに感じ、
「鋳型」を通して捉える世界を、全くの現実と感じ、
「鋳型」が与える体の感覚を、自分の実体と感じ、
「演じ」ていることも忘れ、もとから自分はこういうもので、世界はこういうものだと思い、
一定の期間、その個体に全くなりきることになる。
そのように仕掛けられた、巧妙で強固な情報のまとまりが、「個体の個性」というもの。

意識は、どんな種類の、どんな個体を「演じ」ても、それになりきることになる。
ゆえに、それぞれの体験で、それぞれなりの喜びが成り立つことになる。

「個体の個性」の内容は、大まかにいくつかに分けられる。
一つは、意識の自由度や性向を定めるもの。これは「意識の属性」。
一つは、意識の体験する世界について定めるもの。これは「体験世界の属性」。
一つは、意識と連動する体について定めるもの。これは「連動する体の属性」。

これらはいわば、「舞手」をありありと描き出すのに要する情報。つまり、
「舞」そのものについて情報と、「舞台」と「舞台衣装」についての情報。

たとえば、ある生物の「個体の個性」をつくるとすれば、
「意識の属性」は、思考や感覚の個性を定め、過去の体験の記憶も含む。
「体験世界の属性」は、物質の世界というものを指定する。
「連動する体の属性」は、ある生物種の、ある特徴をもった、物質の体を指定する。
そしてこれらは互いに連動して、個体が感じとれる感覚の種類なども指定する。
こうした情報に沿って「演じ」ることで、意識は、生物の体験ができることになる。

もし、あらゆる生物の「個体の個性」をつくるとすれば、そこには一つの共通点が現れる。
それは、「意、識」の働きを反映した、物質の体を備えていること。
つまりその体に、主体的な動きと、何らかの感覚手段があること。
これの有無が、つまるところ、生物と無生物とを分けるものと言える。

生物以外にも、生命体は様々なかたちをとりうる。
もし、あらゆる生命体の「個体の個性」をつくるとすれば、そこには一つの共通点が現れる。
それは、「意、識」の働きを備えていること。
つまりそこに、情報の自覚的な入出力があること。
これの有無が、つまるところ、命あるものとないものとを分けるものと言える。

こうした仕組みの中で、生物として一つの生を「演じ」るなら、
それを終えても「意識の属性」を引き継ぐことで、体験を継続させることができる。
「体験世界の属性」と「連動する体の属性」を変え、新たな「個体の個性」を成せば、
別の世界で、別の生を体験したり、再び物質の世界で、生物の生を体験したりできる。
世界も、体も、体験も、全ては意識の中の情報であることに変わりない。

ここでは、一度生まれた「意識の属性」は、失われずに残されることになる。
それは、その一つ一つの表現が、表現の全体を成すために欠かせない存在ゆえ。
一方、「意識の属性」は情報ゆえ、複製されて分岐することもできる。
つまり、同じ記憶を共有しつつ、そこから別々の生を重ねて、体験を複数に拡げていける。

意識がこうした生の体験を、「完全な」表現にしようとすれば、
それを正の方向へ向けて、無限に展開させることが必要になる。つまり、
それぞれの生をより喜びのあるものにし、より多くの生を「演じ」ていく、無限の展開が必要。
これは生において、進歩の展開と、多数の展開を、無限に続けるということ。
つまり、無限の多数の、無限の進歩によって、生は「完全な」表現になる。

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「補佐」するというのは、
意識が、様々な法則や仕組みに沿って「演じ」ることで、可能になるもの。

「設計」された様々な法則や仕組みも、
意識の中に浮かぶ情報であり、そのままではひとりでに働きはしない。
それが実際に働くには、唯一の動く主体である意識が、それに沿って動くしかない。

法則に沿って「演じ」る意識は、そこに投げかけられる全ての情報を、
法則に沿ったかたちで、ことごとく打ち返す働きをする。
その働きは機械的で、その処理能力には限りがない。
ものごとが法則に則って展開する体験世界は、こうしてしつらえうる。
物質の世界のようなありありとした世界も、そうしてしつらえうる。

法則が、確かに情報の一つだとすれば、物質が法則に沿って動くということは、
少なくとも物質が、情報に呼応する存在であることを示すもの。
そして、情報に呼応して動くものが、もともと情報であるとしても、それは自然なこと。

物質の世界は、日常的に捉える限り、どこまでもありありとした世界。
つまり、どこまでも明瞭で、どこまでもつじつまの合った世界。
それは、徹底してつくり込まれた、全く破綻がない世界。
それを背後から成り立たせている働きがあるとすれば、それは想像を絶するもの。しかし、
仕組みと、無限の可能性があれば、どんなに精緻な世界も、やはり成り立たせうることになる。

情報として生み出された、物質の世界の設計図は、
「補佐」の役が「演じ」られることで、時間と空間を伴って稼働するものになり、
「体験」の役が「演じ」られることで、ありありと認識されるものになる。
そしてそこに、物質の世界の体験が、立ち現れることになる。

生命体そのものを成り立たせるためにも、様々な補佐が必要になる。
「個体の個性」という仕組み自体を成り立たせることや、体験の記憶を管理すること、
生物の本能の働きを担ったり、体を維持したりすることなど、
生命体に密に関わりながら、生命体が自覚しない全ての働きを、補佐が受けもつことになる。

─────

「補佐」する働きは、全て誤りなく「演じ」られ、互いに矛盾なく連携する。
「体験」する生命体にとって、それらは全て、
自分の預かり知らない働きという点で、等しいもの。
ゆえに全ての補佐は、自動的に働く、一体のものとして捉えられる。
この「自動の働き」のお膳立てによって、
生命体は、面倒なことに煩わされることなく、思いのままに活動でき、
基本的なかじ取りだけに専念すれば、生を体験できることになる。

つまり、生命体は、「自動の働き」という大船の上にあってこそ、生かされるもの。
一方、「自動の働き」は、生命体によるかじ取りがなければ、行き先のないもの。
生命体と「自動の働き」の共同作業で、生という体験は成り立つことになる。

「自動の働き」による補佐は、どこまでも緻密で正確なもの。それに比べれば、
生命体による体験は、時に誤ったりもする、拙く幼いものでありうる。
仮に「自動の働き」が誤ったように見えても、それはそうしたかじ取りによるもの。
しかし、そうした自由があってこそ、生という体験に、豊かな喜びが生まれることになる。

生という体験は、意識が生命体として活動し、情報を入出力すること。
つまり、生命体として、「表現し、味わう」ということ。
ここで、もともとの「表現し、味わう」という「遊び」は、
より具体的な段階に移ったことになる。



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 あとがき
「個体の個性」というのは、ちょうどアバターというものと似ています。
こうした個性を「演じ」るという仕組みを考えれば、魂や霊というものも規定でき、
「生まれ変わり」や「過去生」「守護霊」といったものも、柔軟に解釈できることになります。
一方、いわゆる潜在意識と、法則全般をひっくるめたものを、「自動の働き」と呼びました。
潜在意識という言葉は便利ですが、逆に捉えどころもなくなるので使っていません。
“法則を担う存在”というのを擬人的に考えるとばかばかしく思えますが、法則が存在すると
認めるなら、やはりそれを司る上位の働きも仮定されてしかるべきとも言えるでしょう。
次号では、これまでの展開を一旦俯瞰してみます。
 それではまた。
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発行者 哲楽人  週2回発行(月曜・金曜)
バックナンバー掲載サイト http://www.yorokobi.info

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